2011年4月4日月曜日

子供達避難所クラブ

■石巻高にこども避難所クラブ
東日本大震災と長引く避難生活による子供たちのストレスを緩和しようと、県立石巻高校に「石巻こども避難所クラブ」が開設された。風船遊びや紙芝居に子供たちからは笑顔が漏れ、避難所全体を明るくしている。(松岡朋枝)
同校トレーニングルームの一角に避難者らの毛布に囲まれるように2畳分ほどの「チャイルドスペース」がある。震災直後に設置され、同ルームには子供連れの被災者が多く身を寄せる。このスペースを利用して3月21日に活動を始めたのが「石巻こども避難所クラブ」だ。
運営するのは震災を機に設立されたNPO法人(特定非営利活動法人)「こども避難所クラブ」。代表を務める同市在住の画家、柴田滋紀さん(35)も被災し、同校に避難した。食料や水が安定的に届くようになり「自分には何ができるか」と考えたときに目に留まったのが、避難所にいる子供たちだった。
クラブでは、毎日約1時間、ボランティアスタッフや同校に避難している保育士らが紙芝居や手遊びを行う。参加する子供たちは2歳児から小学校高学年まで約20人。時間になると校内4カ所の避難所から続々と集まってくる。
石巻市立門脇小3年の亀山太陽君(9)も、校内の別の避難所からクラブに足を運ぶ。同小は震災で焼けてしまったが「避難所で仲良くなった友達もいる。楽しい」とにっこり。子供たちの笑顔に、避難所にいる大人からも笑みがこぼれる。谷村良子さん(68)は「子供たちから元気をもらえる」と、目を細めた。
徐々に笑顔を取り戻す子供たちだが、震災によって負った心の傷は深い。
3月26日の活動中、トレーニングルーム内にサイレンが響いた。笑顔で走り回っていた子供たちは立ち止まり、水を打ったように静かになった。「外へ出た方がいい?」。強ばった表情で問いかける子も。
「最初は泣いてばかりだったけど、今は大丈夫。ご飯も水もあるし、これで楽しくないなんてどれだけ欲張りだよ~って感じぃ」とおどける同小5年の佐藤耕佑君(11)だが、父親の行方が分からない。
柴田さんは「自分たちがどういう状況にいるのか分かっている。だからこそ、心のケアが必要なのです」と、強調する。しかし、子供たちすべてに手を差し伸べることはできないのが現状だ。「せめて避難所に1人、子供の相手をできる仲間がいれば」。柴田さんはボランティアを募集している。問い合わせは柴田さん(電)090・2909・2729。



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