2011年4月6日水曜日

子供達が助ける

新年度に入り、東日本大震災で被災した子供たちの学校再開を目指す動きが広がってきた。海外の震災救援を行ってきた専門家は「できるだけ早く日常に近い生活を」と、早期の学校再開を呼びかける。しかし、津波で大きな被害を受けた被災地では厳しいのが現状だ。未曽有の大災害に直面した子供たちや教員たちをどう支えていけばいいのか。(村島有紀)

◆ゲームや運動
「子供自身が人を助けたり、役立ったりしたポジティブな体験を発信し共有することで、立ち上がる気力がわき上がってきます」

約200人が死亡・行方不明になるなど大きな被害を受けた宮城県多賀城市。3月19日に市教育委員会で開かれたミーティングルームで、教師ら約20人は英国在住のウニ・クリシュナンさん(インド国籍)の話に耳を傾けた。

クリシュナンさんは途上国の子供たちを支援する国際NGO「プラン」(本部・英国)の医師。昨年のハイチ地震などで子供たちの心のケアに当たった災害対策の専門家だ。同教委と連絡を取り、今月21日の学校再開に向けてアドバイスした。

クリシュナンさんによると、子供たちに必要なのは、安心できる人間関係▽温かい食べ物▽学校▽楽しく過ごせるゲームや運動といったアクティビティー▽日常に近い生活リズム-という。学校再開が遅れても避難所で友人と一緒に勉強したり、遊びの時間を設けたりすることで、心理的負担を軽減できるとする。

多賀城市では、避難所となっている文化センター1階に子供がくつろいだり遊んだりできるスペース「こどもランド」を設置。避難所の一角に敷物を敷き、子供たちは他の避難者に気兼ねなく寝ころんだり、ゲームをしたりできる。ボランティアによる読み聞かせなども行われている。

3月29日に物資を届けたプラン日本事務所(東京都世田谷区)の久保田恭代さんによると、子供たちはノートや鉛筆といった文具をとても喜んだという。

「子供には思い切り遊び、表現する場が必要。一時は(福島第1原子力発電所の)原発事故の影響で『外で遊んではいけないよ』と言われたこともあり、フラストレーションがたまっていたようだ」と話す。



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